睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群の検査・治療は当院で可能です
睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気で、多くの場合、いびきを伴います。最近ではテレビや新聞などでも取り上げられることが増え、少しずつ知られるようになってきました。
ただし、無呼吸状態は自分で気づきにくく、放っておくと高血圧や糖尿病、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気を引き起こす原因になることがあります。
無呼吸とは?
医学的には「10秒以上呼吸が止まる状態」が無呼吸と定義されており、これが一晩に30回以上、または1時間に5回以上起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
日本国内には、この病気に気づかずに生活している方が300万人以上いると推定されており、「気づかないうちに健康リスクが高まっている」ことが問題視されています。
主な原因とリスク要因
無呼吸の原因としてもっとも多いのは、空気の通り道である上気道が狭くなってしまうことです。具体的には以下のような要因が関係しています。
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肥満による気道の狭窄
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鼻づまりやアレルギー性鼻炎
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鼻や顎の形、舌が大きいなどの構造的な特徴
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お酒を飲んでから寝る習慣
男性に多い病気と思われがちですが、女性にも見られる疾患で、特に閉経後の女性はリスクが高まることが知られています。
こんな症状があれば要注意
夜間に無呼吸が繰り返されることで、脳や体が酸素不足になり、日中の生活にさまざまな影響が現れます。
睡眠中のサイン
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ひどいいびきをかく
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呼吸が止まっていると家族に言われる
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夜中に何度も目が覚め、トイレに行く
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寝汗をかくことが多い
日中の症状
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突然強い眠気に襲われる
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朝起きても疲れが取れない
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頭が重い・倦怠感がある
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集中力や記憶力が続かない
特に、日中の強い眠気は交通事故や仕事中のミスにもつながりかねず、社会生活への支障も心配されます。
放置すると危険な合併症
慢性的な酸素不足が続くと、心臓や脳に大きな負担がかかり、以下のような生活習慣病のリスクが高まります。
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高血圧
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心筋梗塞や不整脈
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脳卒中
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糖尿病
SASはただの「いびき」ではなく、命に関わる深刻な病気につながることがあるため、早めの検査と治療が大切です。
ご自宅でできる検査もあります
「いびきがひどい」「朝の目覚めがつらい」「日中眠くて仕方がない」などの症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科にご相談ください。
当院では、必要に応じてご自宅で行える「睡眠ポリグラフィ検査(簡易検査)」を実施しています。就寝時に装着する小型の機器で、1晩の睡眠状態を記録し、無呼吸の有無や重症度を調べます。
治療の基本はCPAP療法
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、症状に応じた治療に進みます。代表的な治療法が「CPAP(シーパップ)療法」です。
これは睡眠中にマスクを装着して、空気の圧力で気道を広げることで、無呼吸を防ぐ治療法です。多くの方がこの治療で夜間の呼吸が改善し、朝の目覚めが楽になった、日中の眠気がなくなったと実感されています。
ただしCPAPは、病気を完治させるものではなく、あくまで症状をコントロールするための治療です。そのため、同時に以下のような生活習慣の見直しも必要です。
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減量(体重管理)
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飲酒や喫煙の制限
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鼻の病気(鼻炎・副鼻腔炎)の治療
当院での対応について
当院では、睡眠時無呼吸症候群に対して、以下のようなサポートを行っています。
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耳鼻咽喉科専門医による丁寧な診察
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自宅でできる検査機器の貸し出し
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必要に応じてCPAP療法の導入
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鼻づまりやアレルギーの治療対応
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大学病院や専門機関との連携体制
睡眠の質は、日常生活の質に直結します。「もしかして…」と思ったら、お一人で悩まず、まずはご相談ください。当院がしっかりとサポートいたします。
